成長が踊り場でウロウロしている経営者は、組織を見直すといいことあるかも。

いわゆる欧米型、ちょっと昔のMBA的に言うと、組織のマネジメントは「飴と鞭」で動かすのがセオリーでしたが、飴と鞭が機能しない組織、というのも見受けられます。昨今のチームビルディングの考え方では「組織の問題の多くは、共感に基づく信頼関係、信頼関係に基づく役割分担が、組織内、組織間の双方で機能不全を起こしていることに起因する」(ここ先輩からの受け売りです)と言われています。高度成長期モデルの日本企業であれば、このあたりを深く考えなくても(終身雇用制というファンタジーを前提として)飲みにケーションとか社員旅行とか、そういった手法で共感や信頼関係を醸成していたのかもしれませんが、いまどきの若い人(この言い方がすでに若くないけど)はこういうの嫌いなことも多いですよね。とはいえ、突然理念とかビジョンとか、を掲げても「表面的に取り繕った綺麗事、ますますしらけるわー」とドン引きされるでしょう。「だってオレ、高邁なビジョンや理念を実現するために会社やってんじゃねーもん、金儲けるためにやってんだもん」・・・さすがにそこまで夢のない企業経営者は少ないかもしれませんが・・・そういう場合であっても、現状の組織の姿(直視したくないけど)と目指すべき姿がわかれば打ち手はあります。簡単ではないかもしれませんが、必ずあります。ラッキー?なことに貴社のライバルはまだ気づいていないかもしれません。(ちなみに目指すべき姿は組織の成長ステージによって異なります。交流度合、結束度合によって4つのパターンに分けることができるのですが、今はライバルを倒すためにお互いの交流はしないけど結束はする、という「傭兵型」が望ましい場合もあります。)意外にこういった組織文化の現状分析とか、お互いの共感の醸成とか、いかにもふわふわしていているように見えるかもしれませんが、軽視されがちで、皆、あまり手をつけない領域こそ、組織の大小を問わず振り返ってみてもいいんじゃないでしょうか。できれば部下に離反されて売上が激減して資金繰で冷や汗をかいた経験のある専門家に相談すれば、切れば血がピューっと飛び出すような生きたアイディアが得られるかもしれません。

不確実な未来に対してどう向き合うか、今、何をすべきか。答えは10秒後。

20年前に、どこの誰がハロウィンが日本に根付くと思ったでしょうか。いや、ここ数年の渋谷駅前(今日も大変なことになっていました)の様相を想像していた人はいないでしょう。20年前の自分に教えても信じないでしょうね。まぁハロウィンそのものは一例に過ぎないのですが、将来予測については「そもそも実現するかどうかわからない場合」と「おそらく将来実現すると思うがその時間軸と実現度合い(グラフでいうと傾きの程度)がわからない場合」があります。ハロウィンは前者で、インターネット、スマートフォンの浸透度合いなんかは後者だと思います。経営者たるもの不確実な未来に対して、いつ、どの程度、突っ込んでいくかの見極めをどう行うかが重要なのですが、走りながら、その次に来そうなシナリオを複数考え、さらに手を打っていき、徐々に投資の度合を高めていく、のが良いと思います。で、資金と人材と信用に勝る大企業といかにわたりあうか、といえば、とにかく意思決定と実行の速度、もっというといかに早く着手するか、初動をいかに早くするか、に尽きます。(仕事が遅い人の特徴は、初動が遅い、とか、次のアクションに移るのが遅い、つまり「何もしないタイム」がやたら長い・多いというのと同様です)とりあえず、悩んだらやる、いまやる、すぐやる、できるまでやる・・・ってこれ、日本電産の永守さんの口癖でしたね。騙されたと思って、いま、ちょっとだけ、やりはじめてみましょうか。(子供がなかなか宿題に手を付けずウダウダしているのを見て気づいたんですけど。笑)

多忙な経営者が今日からできるメンタルコンディション改善テクニックの巻

そんなこんなでいつの間にか10月ももうすぐ終わりです。いやー早いですね。何しろ大坂城で豊臣方が徳川軍を迎え撃ってるものなぁ(大河ドラマの話ですが)私、今年はバリバリの本厄なので秋深まっても焦燥感よりも大過なく時間が過ぎてほしい、と前向き(?)であります。ふと思い立ってお坊さんが答えるQ&Aサイト(その名も「蓮の葉.jp」)で調べてみました。「厄年は悪い事ばかり起こるのですか?」という質問に対してのお坊さんの回答は・・・ざっくりいうと、そんなもの気にしすぎるなよ、と・・・!古今東西、人って(経営者や政治家のようなリーダー的な立場にある人も含め)宗教やら占いやらにすがりたくなるものです、以前は「何その非科学的で反知性主義な態度!」と思うこともありましたが、最近はメンタルのコンディションを整えるためなら何でも使えばよろしい、と思うようになりました。いろいろ調べて非常に即効性の高い健康管理テクニックを見つけました。それは・・・日付が変わる前に寝る、です。7時間睡眠が理想で6時間睡眠の人は脳の老化が2倍速い、6時間睡眠はほろ酔いと同じ認知機能、というのは(個人差、年齢差はさておき)良く聞きますが、どうも睡眠は脳や体を休めた後に感情を落ち着かせるらしいんですね。(予防医学研究者の石川善樹氏・談)・・・この「最後の1時間」をいかに確保するかがキーなのですが、そこは割り切って寝れば良い、と思います。睡眠時間が6時間と7時間の差って17%くらい違う気がしますが、起きている時間が17時間なのか18時かって6%も違わないわけです(どうせフルで生産的なわけないし)そういうわけで日付が変わる前にベッドに入れば、まぁ朝7時起きでも全然いいじゃないですか、と。夜なべするなら思い切って早く寝て早朝に起きれば能率もいいわけだし。確かに経営者の方からは早朝にメールをいただくことが多いですし(いっぽう、経営幹部クラスを含めサラリーマンの方からは深夜にメールをいただくことが比較的多いかもしれません)今日覚えておいていただきたいのは・・・いいから早く寝てしまえ、というこの一点です。ではまた。

リオデジャネイロから東京へ

2か月ぶりに筆を執ろうと思ったら8月後半に書いたものがアップされていないことに気づいた次第なのでアップしておきます。今更感満載ですが・・・

一時は開催自体を危ぶまれていたリオ五輪ですが、とにかく一致団結する口実としてのゴールがある、というのは効果抜群ですね。おおむね無事に閉会し(これからパラリンピックもあるんだけど)日本選手団も素晴らしい成績を残してくれました。これで東京五輪に向けていろいろと弾みがつくのではないかと思います。身も蓋もないことを言えば育成予算をアップすれば成績も上がる、というのは事実ですが、やっぱり過去の経験・ノウハウに加え、最新メソッドも重要です。当たり前ですけど。

一方、クールジャパン関連の映画製作機構、みたいにかけたお金がしっかり溶けるだけ、というのがお役所仕事の醍醐味ですが、ほんとにやる気溢れる若手官僚の皆様、というのは各省庁で往々にして、それぞれろくでもない業者にうまく乗せられているのはなんとかならんものか、とも思ったりします。

クールジャパン絡みでいうと、閉会式の演出チームは良い仕事したなぁと思います。ネットを見ていると絶賛する人がいれば当然文句のある人も多いと思いようですが、ちょっと振り切れたメッセージや表現で耳目を集めないと始まらない、というのがマーケティングの技術なので、それも含めて成功なんじゃないでしょうか。今回、いいなぁと感じたのは全体的なクオリティの高さ、もそうですが、実際のところはクリエイティブの現場中枢が同世代になってきてるというのがいちばんの理由かもしれません(でも十代の頃の自分が見てもカッコいい、と感じたんじゃないかな)

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スポーツ・エンタメと人類の進歩

なにやら世間が騒がしい1か月でした。良くも悪くも学生時代に山川出版社の教科書で読んだ100年ほど前(20世紀初頭から昭和初期)のような空気感でちょっとなぁ、と思いつつ、まさに息をつく暇もなく色々なことが起きていますが、それはそれとして自分の持ち場を守ってなすべきことを粛々となすのが大事、と考えています。いまさらですが。こういうときはスポーツやエンタテインメントの力で目に見えないブーストをかけるのも手ではありまして(これは世の中も、個人も)奇しくも突然世界的に「ポケモンGO」が爆発的にヒットしたり、もうすぐリオデジャネイロ五輪で何かのドラマが生まれるような気がします。(スポーツの政治利用って話になるとロシアのドーピング問題や、戦前のベルリン五輪による士気高揚等、きな臭い話になるのでちょっと置いておきましょう) 文字通り血のにじむような努力を長年継続することは凡人には難しい(まぁせいぜいそこそこの努力とそこそこの成果どまりですよね)ので、アスリートに勝手に思い入れを乗せて、ごちゃごちゃと応援したり批判したりするのは世の常ですが、自分自身、純真無垢?で無限の可能性を無根拠に信じていた子供の頃は、なんで世の中そんなにスポーツだとかエンタテインメントだとかにそこまでの価値を見出すのかわからなかったんですが、おっさんの階段を上るにつれ、その価値を痛感しています。精神的エネルギー政策。そりゃ旧共産圏諸国が選手育成に血道を上げるわけだ。国家の産業育成や軍事力拡大に必要な手間暇に比べると「お手軽に」国民意識の高揚ができるもんなぁ。またきな臭い話ですが。人類社会を前進させるのはテクノロジーと教育(この二つは文字通り、IT&ネットワーク技術の発展で劇的に安価になりましたね)とスポーツ・エンタテインメントかもな、とあらためて感じています。この項、つづく。

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ご予算13兆円

ミュージシャンが「ツアーしんどい」というのは、昨年の巡業生活から非常によく納得したところですが、同様に「曲作りとかレコーディング(いわゆる制作作業全般)も先が見えなくてきつい」というのも、最近よーくわかるようになりました。ひたすらのデスクワーク&ミーティングもなかなかハードです。・・・何をやってもしんどいってボヤいてる場合ではありません。わが東京都の首長が泣きたくなるほどケチ臭いことで辞めるそうですね。白けるなぁ・・・(政治家もマスコミも国民も同じくらいにアホな国だ・・・)ご存知のとおり、東京都は、実に予算13兆円、職員16万人。予算規模は都市として世界一ですし(少し前のデータではNYよりも上)国家予算と比べるとインドネシアより大きく、スウェーデン・メキシコ・カナダと同じくらいらしいんですが、どうせ無駄遣いするなら凡人の度肝抜くような規模で無駄遣いしてほしいものです。結構いろんなことができると思うんだけどなぁ。誰かのように銀行作ってダメにしたり、のほうがマシに見えます。なんか感覚がおかしくなってきますが。個人的には育児・教育にかかる費用を激安か無償化するのがいいかなーと思います。ちなみに無駄遣い、といえばですよ、都知事選にかかる費用は50億程度とのことですが、「頭はいいがケチ臭い人間性の首長」を挿げ替えるための費用としてはお高くない、という判断に感心しています。よっ、都民、太っ腹!・・・もちろん、いつ出馬打診の電話がかかってきても叩かずとも埃しか出ないことに誇りを持っている私としては丁重にお断るするべくプレスリリースの草稿をしたためている私です。(かかってこないから!)そんなことしてる暇があれば仕事しろよ、と思いますが。

2度目の「幻の東京五輪」

いまさら東京五輪招致に関する裏金疑惑が持ち上がっています。懐かしの84年のロス五輪の頃以降(サマランチIOC会長体制以降)金権主義と批判されつつ国際イベントとしての価値を上げてきたオリンピックですが、モノには限度が、といったところなのでしょうか。それを言うなら北京五輪とかいかにも怪しさ満載ですけど。最悪東京五輪が白紙になると、代理開催はロンドンになるという噂もあり、ロンドンとしては殆どとばっちりだと思いますが(開催の経済効果による収支が合わない可能性も大いにあるので)それはそれで仕方ないかなーと。IOC界隈ではいまさら不正認定~開催地変更では誰も得しないので有耶無耶にする方向で調整しているのではないかと思いますが。早速お調子者界のビッグネーム、森喜朗元首相は颯爽と無責任発言を吐き出し始めていますが、ある意味さすがです。それはさておき、1940年開催予定だった東京五輪以来、2度目の幻のオリンピックとなってしまうのでしょうか。(ちなみに1940年は東京の代わりにヘルシンキになる予定だったが戦争のため中止)幻の東京五輪については「戦前日本が戦争で壊滅する直前の仇花」という見方をされているようで、なんというか他人事ではありませんね。単純な経済収支だけでなく、外圧以外では重い腰を上げない日本にとっては国全体を上げて何かに取り組む口実になるので良くも悪くもオリンピックのような国際イベントは必要悪だと思いますが、どうなることやら。

三菱自動車にとってコンプラ云々より大事なことって

前回ブログエントリから気づけば1か月近く経っていますが、今年はもっぱらオフィスに籠ってデスクワークや電話会議にどっぷり浸かっています。そうこうしているうちに三菱自動車が実質的に日産自動車の傘下入り、と、小説や漫画のような激動っぷりです。日産にとって安い買い物なのか、重い足枷になるのか、果たして三菱自動車は健全な体質になるのか(意外と根深い気がしますな)、一方で、そもそも三菱にとっての顧客だった日産は説明責任はないのか(ここ案外ポイントだと思うんだけどすーっとスルーされている気が・・・)そのあたりは今後の推移を見守るとして、現行車種一覧を見てみると、知らない名前ばかり並んでるわけで、確かに軽自動車(ekワゴンとか)のほうが耳馴染みある有様です。もともと三菱自動車は三菱グループの中では格下扱いされていて、しかも売れ筋が軽自動車、おまけに燃費もホントはイマイチ・・・ってそりゃダークサイドに堕ちるよなぁ。良く三菱自動車はいい技術をもっているんだ、と言いますが、そんな当たり前の話(「彼は目立たないがマジメなんだよ」みたいな)にすがるのではなくて、再生においては、コンプライアンス、ガバナンス強化もさることながら、むしろ「10年後のビジョン作り」みたいなことのほうが大事なんじゃないかな。前向きに遠くを見れば自ずと足元はしっかりしてくるはず。子供の頃、ウチは三菱自動車だったのでちょっと応援してます。

日清カップヌードルCMからの学び

案の定、日清カップヌードルは例の広告効果が表れているようで、ピンチをチャンスに変えたのか、あるいは狙いすましたビーンボールだったのか、はわかりませんが、いまどきっぽい事例でしたね。日常使いの消費財なので企業ブランド広告がそのまま販促広告としても奏功したのも興味深いですね。こういった事例が増えてくれば宣伝広告における予算の組み方や社内の業務のあり方も変わるのではないでしょうか(部門間を跨いだ社内横断型プロジェクトの立ち上げと運用管理、とか)日清くらいの企業規模でなくとも「企業広告と販促広告」「オンラインで話題になるコンテンツとオフラインの施策の連動」のテストは試してみる価値は大いにあると思います。もちろん1回ちょろとやってみるだけでいきなり大きな結果が出る、ということはないはずですが、あまり予算を使わずにできるのは魅力ですね。

演習:日清カップヌードルCMの影響度を測定せよ

いやーいい時代ですよ。いきなりですが。いまどき、学生だろうが新卒だろうが、グーグルトレンドである言葉の検索状況を時系列で一瞬で出せるわけで。これ使えば広告代理店やコンサル会社やビッグデータがナントカとか言って高い費用を請求してくるようなレポートがあっさり作れるわけです。せっかくなので今春、就職活動をする学生さん向けにお土産を考えてみました。以下演習の成果物は面接に持ち込んではどうでしょう?

1)グーグルトレンドで「日清カップヌードルCM」について、一定期間(そこは任せます)の検索状況を調べよう

2)例のCMの放送開始日、炎上開始日、報酬終了日、マスメディアで取り上げられた日を調べて、上記にマッピングしよう

3)ここからが重要なんですが、自分の住んでいる地域での検索状況をチェックしよう。意外な地域で人気だったりするもんだ。

4)すごく重要なんだけど、近所のスーパー、コンビニ等を可能な限り回ってみよう。店頭での陳列状況、価格等を調べよう。

5)ここは死ぬほど重要なんだけど、店員さんやお客さん(できればカップヌードルを買った人、競合品を買った人、そもそも買わなかった人)等、に色々話を聞いてみよう。こういうのめんどくさいけどビジネスマンのオッサンは喜ぶよ。

6)上記をもとに自分なりの仮説を考えてみよう。お作法云々は例によってググったり本屋にいけばいいぞ。あるいは大学でマーケティングやっている先生を捕まえるととても喜ぶ可能性が高い。

・・・とまぁ、きっかけのグーグルトレンドの話は1)から3)までで、あとは一般的な話なんだけど意外にみんなやらない。高い費用を払って代理店とかコンサル会社に頼むこともあるんだけど、上記を賢くて睡眠時間が少なくて平気?な若い子に短時間で高い精度(に見えるような感じで)で作らせてるだけ、なんだよね。まぁ学生の場合、品質での勝負は難しそうなので、4)5)といった泥臭いことを大量にやるのが良いと思うし、社会人が気づかないような仮説を立ててみるとオッサンは喜ぶよ。まぁそこで意地悪言ってくるのも含めてウケはいいと思う。新卒研修のグループワークで同じようなことやってるかもしれないけど。若さゆえの愚直さでパワーをかける、というのが老獪なオヤジどもを唸らせるポイントです。検討を祈る。

日々是コンディショングリーンのすゝめ

久々の更新となりますが、3月後半は世間一般の年度末対応に巻き込まれ、”充実の日々”でした。(笑)さて4月になり、心機一転、より前向きにことに取り組むべし、と最近は毎朝、代々木公園をウォーキング(早朝の心拍数を計測するとランニングではなく限りなくウォーキングのジョギングが良いみたいです、、、)してから午前中の仕事(政治の世界だって、昔は朝廷と言われたように朝に仕事をしていた理由がなんとなくわかりますね)に取り掛かるようにしています。世間一般的には人生も仕事人生も折り返し付近なので、コンディションの管理の重要性を肌で感じています。ビジネスもそうですが、まずは現状把握ということで、いまはライフログを取って記録するツールも充実しているので色々と試してみるのも面白いと思います。まぁ仕事柄、たっぷり40年は働く予定ですし、多分その頃は100歳、120歳まで生きることも珍しいことではなくなっていそうですし。

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シャープ鴻海問題と真田丸

1週間のご無沙汰でした。シャープと鴻海の件、案の定、そして思った以上のドタバタ劇の様相を呈しております。私のように創業オーナー経営者の中堅企業、サラリーマン経営者の大企業(およびその経営幹部、従業員)とそれぞれとお付き合いする身としては、創業オーナーを舐めたらいかんぜよ、と。まぁ金の斧、銀の斧、ではないですが、欲をかくと碌なことがないというか、シャープの経営陣は、素人目にも脇が甘いよなーと思います。さて翻ってどちらかというと鴻海に近い、オーナー経営者の皆さんにとっては、用心には用心を重ねて勝てる時にはどーんと突っ込んでいかないと、でしょうが、ちょうどNHK大河ドラマ「真田丸」の真田昌幸(主人公・信繁(真田幸村)の父)みたいな感じですね。知略に優れ、というとカッコいいですが、ドラマでは「息をするように嘘をつく」と描写されていて、草刈正雄がいい味出しています。昔、やはり大河で「真田太平記」をやっていたときは草刈正雄が信繁で、丹波哲郎が昌幸だったようですが、丹波哲郎ってのもまた煮ても焼いても食えない役をやらせたら抜群ですね。・・・と話は逸れましたが、中小企業の経営者が大企業の経営者に負けないのは(望むと臨まざるとに関わらず)その覚悟の度合なのは間違いないですね。なにせ判断を間違え続けると物理的に死んでしまうのだから・・・。

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アホやけどあいつ根性あるねん、という人がキーパーソン

経営ってのは、卓越したビジョンや戦略、あるいは事業アイディアと、とにかくやりきる実行力の両方が欠くべからざる要素ですが、特にベンチャー、新規事業の世界においては後者については極めて重要で(もちろん大企業でも、ですが、大企業の場合、足りないのは上流の戦略やすぐれた経営者・経営幹部のことが多い、とされています。)利発さや器用さなんかより、気合と根性と執念ある人材が一騎当千です。言い方は悪いけど、アホやけどあいつ根性あるねん、という人です。アホやけど根性ある経営者、というのも「昔ながらの中小企業のおやっさん」キャラとして非常に重要ですが、その場合は良い番頭はんが必要ではありますな。いちばんダメなのが、小利口でできない理由を考える、あるいはそっと手を抜くやつで、・・・それおまえのことやろ、という集中砲火を迎え撃つ心の準備はすでにできていますが、最近、良く寝る・しっかり食事するを徹底することで、どうせ最後は死ぬだけやろ、と腹を括るようになって、世の中の企業経営あるある(特に、こういった生の組織論とか)を腹落ちして噛み締められるようにはなってきました。ま、自分の成長スピードの遅さに震える西野カナばりに震える自分もいますけど。

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中小企業が世界から人材を採用するために必要なのはお金ではない

中小企業といえども世界中から優秀な人材を採用する時代になってきました。しかも採用に関する競争相手も世界中のトップ企業。・・・ちょうどテレビでやっているんですけど。その際にネックになるのは報酬をはじめとする待遇や制度面の整備などでだけはなく、ビジョンや戦略の優位性です。そこは社長を筆頭とする経営陣の腕の見せ所です。現時点での組織の大小とビジョン・戦略のよしあしは必ずしも正の相関関係があるわけではないですからね。意外にその部分を軽視している企業経営者も多いのですが、まぁそこは不見識ですわね。我が身を振り返ってみても。さすがに私たちもインド工科大学から人を採ったことはないですが、そろそろそういう動きもしたほうがいいのかも。

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一日1000本の素振りを続けられる人はなかなかいない

熟練のプロとそれ以外を分けるのは技術や経験だけではなく、調子の良し悪しに関わらず、常に高い精度で技能(それが経営そのもののこともあれば、営業行為という広範な業務のこともあれば、データ入力と言う単純作業のこともあるでしょう)再現できること、です。このことに気づくと(わたしはゴルフはやらないのですがきっとわかりやすいと思うので喩えてみます)たまたまホールインワンだとかバーディ連発だとかが出ることよりも、狙ったスコアをキープし続けられること(その内訳も含め)がずっと大事だからそういう練習をしよう、となるはずです。最近調子が良くて、の次に続くべきは「売上があがってる」とか「契約がとれてる」とか、ではなく、狙ったとおりの結果が出ている(外すのも含め)、であって、それを支えるのは洗練されたプロセスをしっかりきっちりこなし続けられること、なんですね。王貞治のように毎日1000本のしっかりとした素振りを続けられるか?トップと呼ばれるプロの選手でも結局それはできないわけです。などということは、そうだな、小学校低学年の頃に気づいておきたかったなぁー。ポテンシャルと瞬発力だけで目先の危機を切り抜ける、のがいちばんダメだなー。(自分のことなんですが)

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ハリウッドザコシショウを見て中小企業が学ぶこと

R-1グランプリ2016で超・通好みのピン芸人「ハリウッドザコシショウ」がまさかの優勝で、お笑いファンが色々とどよめいています。マニアックすぎて何が面白いのか伝わらないという珍味な芸風なのですが俄かにテレビの出演や取材が殺到しているとのこと。「中身が変わってないのに突然評価がうなぎ上りになる」現象って何なんでしょう。たった一夜の露出で圧倒的な認知度と評価(美人投票的な、みんながいいというからいいんだろう)を得て、もちろんここからが正念場なのでしょうが、一気に「よくわからんけど、面白いらしいので起用してみようか」とチャンスを貰うという流れ。企業の商品・サービスも同じようなところがありますよね。著名な経済系メディアで取材されるとか著名人が愛用しています(これを悪用したステルスマーケティングが流行りましたね)とか・・・特にB2Cの商材だと顕著ではありますがB2Bの商材でも「おぉ昨夜ワールドビジネスサテライトで見たよ」とか良く聞きます。じゃぁその圧倒的な注目をいかに集めるか、業務でいえばいわゆるブランディング・広報/IRの領域になりますが、誰にとってどういうお得がことがあってそれを一言でどう伝えるか、は普段から考えている必要があるし、独りよがりな思い込みだけでもダメですよね。中小企業の場合、ここをビシッと決めることで企業価値がバーン!とアップすることは間違いないんですが(何しろ、今この瞬間の価値が大抵、純資産(プラスアルファ)くらいでしかないので・・・)なかなか一筋縄でいかないんですよね(心の叫び)私は経営者として「時間を買って」信頼できる第三者に相談しますけれど。

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業者は顧客企業のキャラクターに応じてどう振る舞うべきか

うちの会社ではコンサルティングでも人材紹介でも、いわゆる経営幹部の仕事、みたいな案件が多いんですが、結構優秀な方でも案外見落としがちなのが、企業トップがどういう人物か、というところから来る社風・カルチャーに合わせなきゃいけないということです。例えば、オーナー企業、とくに創業オーナー社長がまだ生きている会社ってのは、中堅企業だろうがスタートアップだろうが、お察しの通り「濃い」です。歴史が長くて超のつく大企業出身の人だと気づかないことも多いのですが。スピード感、とにかく実行しきること、能書きよりもまずは実践すること。・・・なんか頭悪くて泥臭そう?そうです。小利口でちんたらしているやり方は大企業のそれです(そして、現代ではこのやり方ではもう世界に通用しなくなってきています)これを逆手に取っているのが大企業向けの経営コンサルティングサービスの一部でして、誰も傷つかない・困らないを大前提に色々とサービスするやり方もあるわけです。例えば、新規事業開発支援と銘打って、クライアントの担当部署がいかにも仕事をちゃんとやって、でも何もhappenしない、けど誰もそれを問題視しなくて済むための書類や会議や業務を設計して代行するという・・・夢のような(いやそれは本当は悪夢ですが)もちろんわれわれは「それ、いつまでになんぼ儲かるんや」というのを大前提に最適な提案をするスタイルですのでご安心を。品質以前に志あるサービスを旨としております。

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就活生の季節

最近、就職活動をする学生の中でも優秀とされる層のなかでベンチャー指向が高まっている、と良く言われます。まぁ調査対象の母集団どれくらいやねん、とか何と何を比較してどれくらい数字が高いねん、とか突っ込みどころがあるのはさておき、学生の頃の友人たちを思い出すに、当時群を抜いて優秀なタイプから順に、新卒の定期採用を開始して間もない外資系の金融とかコンサルを選んでいた(もう20年近くも前かと思うと気が遠くなりますが)ような気がします。勿論当時は(いまでも)エスタブリッシュメント系の人気は高かったですけど。基本的に殆ど就職活動をしたことがない私がいまの学生に気の利いたアドバイスはできませんが、当時の自分に話すならば・・・・やっぱり人生そのものにおける、ビジョンとか理念とか、そこから導き出される戦略をもとに具体的な戦術を考えるのがいいんじゃないかな~ともっともらしい通り一辺倒の、具体的にどうすればいいのよ?という禅問答めいたことを言いそうだなぁと思います。当時の自分なら、そりゃそうですね!とふわふわわかってきになるか、何きれいごと言ってんだ、と皮肉の一つも言うか、かもしれせんが、でもやっぱり基本ラインはそうだと思います、はい。いまでは、中途採用の支援で人材紹介業なんかもやっていますが、候補者の方と話していて、企業・候補者・エージェントそれぞれに納得感があるケースってのはやっぱり上記のビジョン、理念や戦略が明確にある人だったりします。釈迦に説法だとは思いますが、学生・社会人問わず、立ち止まってぶっちゃけベースで自分と向き合う時間を持つところからスタートするのがいいんじゃないでしょうか。私なんかは自分だけで考えると自家撞着してすぐ煙が出てしまうタイプなので色々な人とディスカッションするなかで考えをブラッシュアップするのが案外早いんじゃないかなとも思います。

追い風参考記録、侮りがたし

事業をするなら伸びる業界でやれ、とは孫さんも強調するセオリーですが確かにそうだなーとIT業界などを見るにつけ痛感します。すごく優れた企業だけでなく(失礼ながら)そこそこの企業でも結構な利益を上げていますよね。そう考えると「高度成長期の日本企業」というのは大変な高下駄を履かせてもらっていたわけで、失われた20年(どころか停滞止まりが見えないので、この先も長期的にそうかも・・・)のどん臭い実績を見ていると、ジャパンアズナンバーワンの要素の何割ぶんかは追い風参考記録だったんだなぁと(あまり認めたくない事実なのであまりビジネス関係の報道では触れられませんが)そう考えると、これから大きく伸びそうもない業界に中途半端に気を配って、これから伸びるべきに十分な力を入れていない経済政策を見ると基本的に再浮上は難しいだろうなぁ、と。

重要なのは情報を咀嚼する力である

諜報活動に従事するプロの仕事は毎日丹念に新聞や雑誌を読み解くことだ、と言われています。現在ではさらにインターネットを使って情報を収集してコンピュータで分析して、が加わるのでしょうが、一般のビジネスパーソンもまた情報に対する接し方は同様であるべきだと考えています。日本にいる場合は幸いにして日本語でも相当の量の情報が飛び交っていますし、英語(斜め読みでOK、だってもともと対象の情報量が半端ないから)の情報もネットで取り放題です。理論上、手元のパソコン、スマホで主要な情報の大枠は得られるわけですが、本当は重要なのはここからで、それらの情報を咀嚼して体系化して理解して、なぜそうなのか、なにが必要なのか、をじっくり考えることが必要です(それはこれからの情報処理教育もそうなんだと思います)その上で現地現物の一次情報を足で稼いで加味し、自分なりの見解(まさにインサイト、洞察)を作ることができるか、あるいはそれを誰かに作らせられるか、ここが競争力の差になってきます。これまで以上に考える力が求められる時代、というわけです。(実際にはそれ自体が経験の積み重ねでブラッシュアップされる領域ですが)逆に言うと、莫大な情報にその気になればだれでもアクセスできる(そして発信できる)時代には二十歳そこそこの若者も、業界の長老も、決して相手を侮るべからず。インスタグラムに自撮り写真をアップするティーンエイジャーの女の子が世界中に影響力を持つファッションリーダーになる時代であり、ブログに自分の半生を綴る高齢の農夫が近現代史を紡ぐ時代です。そしてそれらの情報をインターネットで共有することで新たな知恵を生み出すことができる時代でもあります。