いわゆる欧米型、ちょっと昔のMBA的に言うと、組織のマネジメントは「飴と鞭」で動かすのがセオリーでしたが、飴と鞭が機能しない組織、というのも見受けられます。昨今のチームビルディングの考え方では「組織の問題の多くは、共感に基づく信頼関係、信頼関係に基づく役割分担が、組織内、組織間の双方で機能不全を起こしていることに起因する」(ここ先輩からの受け売りです)と言われています。高度成長期モデルの日本企業であれば、このあたりを深く考えなくても(終身雇用制というファンタジーを前提として)飲みにケーションとか社員旅行とか、そういった手法で共感や信頼関係を醸成していたのかもしれませんが、いまどきの若い人(この言い方がすでに若くないけど)はこういうの嫌いなことも多いですよね。とはいえ、突然理念とかビジョンとか、を掲げても「表面的に取り繕った綺麗事、ますますしらけるわー」とドン引きされるでしょう。「だってオレ、高邁なビジョンや理念を実現するために会社やってんじゃねーもん、金儲けるためにやってんだもん」・・・さすがにそこまで夢のない企業経営者は少ないかもしれませんが・・・そういう場合であっても、現状の組織の姿(直視したくないけど)と目指すべき姿がわかれば打ち手はあります。簡単ではないかもしれませんが、必ずあります。ラッキー?なことに貴社のライバルはまだ気づいていないかもしれません。(ちなみに目指すべき姿は組織の成長ステージによって異なります。交流度合、結束度合によって4つのパターンに分けることができるのですが、今はライバルを倒すためにお互いの交流はしないけど結束はする、という「傭兵型」が望ましい場合もあります。)意外にこういった組織文化の現状分析とか、お互いの共感の醸成とか、いかにもふわふわしていているように見えるかもしれませんが、軽視されがちで、皆、あまり手をつけない領域こそ、組織の大小を問わず振り返ってみてもいいんじゃないでしょうか。できれば部下に離反されて売上が激減して資金繰で冷や汗をかいた経験のある専門家に相談すれば、切れば血がピューっと飛び出すような生きたアイディアが得られるかもしれません。