諜報活動に従事するプロの仕事は毎日丹念に新聞や雑誌を読み解くことだ、と言われています。現在ではさらにインターネットを使って情報を収集してコンピュータで分析して、が加わるのでしょうが、一般のビジネスパーソンもまた情報に対する接し方は同様であるべきだと考えています。日本にいる場合は幸いにして日本語でも相当の量の情報が飛び交っていますし、英語(斜め読みでOK、だってもともと対象の情報量が半端ないから)の情報もネットで取り放題です。理論上、手元のパソコン、スマホで主要な情報の大枠は得られるわけですが、本当は重要なのはここからで、それらの情報を咀嚼して体系化して理解して、なぜそうなのか、なにが必要なのか、をじっくり考えることが必要です(それはこれからの情報処理教育もそうなんだと思います)その上で現地現物の一次情報を足で稼いで加味し、自分なりの見解(まさにインサイト、洞察)を作ることができるか、あるいはそれを誰かに作らせられるか、ここが競争力の差になってきます。これまで以上に考える力が求められる時代、というわけです。(実際にはそれ自体が経験の積み重ねでブラッシュアップされる領域ですが)逆に言うと、莫大な情報にその気になればだれでもアクセスできる(そして発信できる)時代には二十歳そこそこの若者も、業界の長老も、決して相手を侮るべからず。インスタグラムに自撮り写真をアップするティーンエイジャーの女の子が世界中に影響力を持つファッションリーダーになる時代であり、ブログに自分の半生を綴る高齢の農夫が近現代史を紡ぐ時代です。そしてそれらの情報をインターネットで共有することで新たな知恵を生み出すことができる時代でもあります。